銀河鉄道5

「桜まだかなあ」
「今年は少し遅いようだな」
 かえでが朝送り出してくれる。
 今日は常務と私が誘われている。それで6時には銀行に戻ってきて一緒にタクシーに乗る。携帯にともこからメールが入っている。
『父が新潟に行きました』
 それを見て嫌な予感があった.。
 タクシーが付くとビルの玄関に息子の専務が立っている。この店は父親が自分のビルにクラブを出している。ミナミでは老舗のクラブだ。エレベータで上がると廊下にホステスが迎えに来ている。その後ろから華僑の社長が顔を出す。上物肩を抱くように中に入っていく。広いボックス4人の間にホステスが座る。
 息子がホステスに代わって隣に座る。私はもちろん昼間は立派な男のサラリーマンだ。だが近くで見ると顔はつるつるだ。髭がホルモン注射で生えない。
「私より肌がきれいね?」
 息子が手を擦りホステスが顔を摺り寄せてくる。常務と社長はビルの融資の話になっている。私はメモを出してきて融資の話を記録する。9時にようやくお開きになってもらったタクシーチケットでともこに携帯を入れた。おかんの店で代理と飲んでいるようだ。久しぶりの暖簾を潜る。
 ともこが席をずれて私を座らせる。
「連絡あった?」
「お母さんは今は妹の家にもいないようなの」
「どうして?」
「妹が200万をを持ってきたときはもろ手を上げて迎えたようだけど、取り立て屋が来てから追い出したようよ」
「やはりな」
 代理はぽかんと聞いている。親父も妹の家には泊めてもらえず、近くのホテルにいるようだ。






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yumebito86869

Author:yumebito86869
もう記憶の中で小さくなってしまているが、
小さい頃病院で隔離されていた時期があった。
その時隣部屋にかえでと言う毛糸の帽子を被った少女がいた。
童貞を失ったのもかえでだ。
何もかもう失った時、私はすみれとして彼女と再会した。
また短い時間だったが私の中で一生光り輝いている。

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