明日の夢2

 かえでが死ぬ。この言葉が私の頭の中に充満して爆発しそうだ。今日は朝4時に目が覚めてしまって、かえでの寝顔を見ながらかえでとすみれのブログを見ている。かえでがあの病院時代の交換絵物語をリメイクしている。彼女は交換絵物語の画帳を失ったと言っていたが、最近買ったデジカメであの時の絵を写しだして小さな言葉を添えている。
「見つけちゃったね?」
 私の背中にかえでの顔があった。
「完成できなかったら引き継いでね」
「いや絶対完成させろ」
「あの頃は絶望で真っ暗だった。このまま家族からも見放され病院で死んでいくのかと思っていた。それが私にも王子さまが現れてくれた」
「いや同じだよ。妹を見てきて女性への妙な嫌悪感があった。これからは一人で生きる道を考え始めていた」
「また会えるとはなんと幸せなんだろうと。もう思い残すことはないよ」
 私も心の中ではよく分かったいる。
「何時に行くの?」
「10時にスタジオを予約している。下地の化粧はここで8時から始めよう。これはブログ仲間のカメラマンに頼んで10時から5時まで押えている。疲れたらそこで切り上げる約束だよ」
 これはかえでが希望していた撮影だ。だが体力が少し回復するのを待っていたのだ。私は彼女が用意していた衣装をトランクに詰める。それからかえでがすみれの顔を作る。
「凄い!」
 助っ人で来たともこと静江が入口で声を上げる。ともこは1時まで静江は5時まで撮影の助っ人をしてくれる。とくにともこは私の女装は初めてだ。
「ともこに似ているでしょ?」
「私よりずっときれいよ」





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yumebito86869

Author:yumebito86869
もう記憶の中で小さくなってしまているが、
小さい頃病院で隔離されていた時期があった。
その時隣部屋にかえでと言う毛糸の帽子を被った少女がいた。
童貞を失ったのもかえでだ。
何もかもう失った時、私はすみれとして彼女と再会した。
また短い時間だったが私の中で一生光り輝いている。

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