思い出作り8

 かえでの提案で初めておかんの店に静江を誘うことになった。かえではもう何度も静江と会っているが、私は逆に気まずくて顔も合わせられないでいる。かえでは一時からすると元に戻ったくらい元気だ。だが桔梗に戻らないのは芯からよくなったと思っていないからだ。
 6時にいつも通り静江が帰り私は集金袋を詰めて7時半に銀行を出る。おかんの暖簾を潜ると指定席に姉妹のように仲良く座ってビールを飲んでいる。私を見るとおかんが隣の席を押しのけて私を座らせる。
「最近姉さん見ないね?」
「中国に旅行に行っているの」
と平然とかえでが言う。それから静江の耳元で何か囁いている。すると静江の顔が真っ赤になる。
「ひそひそ話はよくない」
「じゃあ静江がひろし君に伝えてあげて」
と言って自分の席を私と変わる。かえではそのまま私のビールを飲む。
「玉がなくて・・・竿だけ」
 静江が小さな声で耳元で言う。
「静江はねえ、高校の2年生から3年生まで付き合っていた恋人がいたんだって。最後まで行ったってよ」
「どうして別れた?」
「東京の大学に行ってそのままに。でもどうして女性に?」
「かえでに化粧をしてもらって凄く馴染んだ」
「すみれが好き。今度すみれと会いたい」
「そうじゃなくってすみれとやりたいと言うのよ」
 9時半まで妙に盛り上がった3人だった。かえでの熱い気持ちが伝わってきた。





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yumebito86869

Author:yumebito86869
もう記憶の中で小さくなってしまているが、
小さい頃病院で隔離されていた時期があった。
その時隣部屋にかえでと言う毛糸の帽子を被った少女がいた。
童貞を失ったのもかえでだ。
何もかもう失った時、私はすみれとして彼女と再会した。
また短い時間だったが私の中で一生光り輝いている。

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