FC2ブログ

秘密基地7

 私は最近は交換絵物語を下着を入れている鞄に入れるようにしている。もう他人には見せられない絵が描かれている。私は出来るだけかえでを迎えに行かず非常階段に行くようになっている。かえでとあの日からそれでも3回入っている。毎回かえでには週刊誌で読んだことを試しているようだ。
「ひろし君は私が嫌い?」
「そんなことはないよ」
「だったら秘密基地をなぜ避けるの?」
「このままじゃみんな変な目で見るのじゃ?」
 確かに医者も看護婦もあの部屋の意味を知っている。それに患者も時々出入りしている。
「でも誰もばらさなよ。みんな知らんふりしている。姉さんは何度も外でドアが開くのを待っていた看護婦に会ったって」
 でも黙って絵を描いている私を見て私の画用紙に青色の電車を描いた。
「これは私の電車よ。ひろし君の電車と今すれ違っている。でも今を逃したらもう2度と会えなくなるのよ」
「ここは環状線だからまた会える」
 これは母の受け売りだ。まだ一度も一周したことはない。
「ひろし君は治ってここを出る日が来る。きっと私は出る時は死んだときだけよ。私って友達ができない子なんだ。ひろし君の他にまた友達ができることってないように思う」
「でも子供ができるよ」
「心配しないでいいの。姉さんから薬ももらっているし、明日は貰った化粧を持っていく」
と言って私もパジャマのズボンのポケットに手を入れる。しっかりと私のものを握っている。
「出るまでは私を忘れないで」





スポンサーサイト

テーマ : ファンタジー小説 -- ジャンル : 小説・文学

ページトップへ

秘密基地6

 車椅子が要らなくなってかえではスカートを履くようになった。あの姉さんはずっとスカートをはいていた。今日は朝は非常階段に出てこなかった。私が昼食を食べて部屋に迎えに行く。今日は久しぶりのピンクの帽子だ。ベットで交換絵物語を渡したら腕を引っ張って部屋を出る。
「どこへ行く?」
「黙って!」
 きょろきょろとナースステーションを見ている。急に手を引っ張ると秘密基地に引っ張り込む。それからすぐに鍵を回す。やはりかえでの顔はひきつっていて目が震えている。
「あ!」
 かえでの手が私のパシャマとパンツを降ろしている。指で皮をむいている。それから柔らかく撫でる。
「大きくなった。気持ちいい?」
「うん」
「まだ出したら駄目よ」
 今度はスカートをまくった。パンツも履いてない。
「見て、ここも毛が抜けちゃってつるつるよ」
 母のは毛が生えてまったく見えない。
「指入れていいよ。うんそう気持ちがいい。わーやっぱり本の書いているように大きくなった」
 私のものが上を向いてぴくぴくしている。かえでが口に含む。その瞬間ぴゅーと出た。
「まだ出しちゃ」
 ドアがノックされた。だがそれ以上は叩かない。
「15分後に出てという合図。姉さんが言ってたわ」
「ごめんだよ」
「いいの、まだ死ねないからね」







テーマ : ファンタジー小説 -- ジャンル : 小説・文学

ページトップへ

秘密基地5

 隣のベットの女性が退院が決まった。もう2日前からかえでが色々なものを貰っている。最後の朝私も車椅子を押して部屋に入った。すっかりベットは片づけられていて本棚も空になっている。着物を着た母親が鞄を下げている。かえでを押してナースステーションのエレベターの前に行く。ここは柵があってこれ以上はいけないようになっている。若い医師が涙目で立っている。
 かえでがしっかり抱き合って手を振る。それから非常階段に行く。
「姉さんは19歳で母親のスナックを手伝うようよ。あそこにいた医師、秘密基地で何度もエッチしていたのよ」
「へえ!」
「分かるわ。姉さんも5年もいて何度も個室を行き来していたの。18歳の時に彼を秘密基地に誘い出した。秘密基地は長い入院患者の伝説の部屋なの。姉さんはおぼこで死にたくないっていつも言っていた」
「処女!?」
 これは彼女の週刊誌の知識だ。
「結婚する?」
「女が入院患者の場合はほとんどそのままお別れらしいよ。看護婦の場合は結婚が多いと」
 女同士の話をしているようだ。
「患者同士は?」
「それも別れる」
と言われて私はかえでの顔を見た。
「私はきっと出れないと思う。だからどうしても私はここで果たすわ」
 かえでは10月で12歳になり中学生になる。だが小学校に一度も通ったことがない。






テーマ : ファンタジー小説 -- ジャンル : 小説・文学

ページトップへ

秘密基地4

 久しぶりに父が見舞いに来た。渡されていた着替えを出して入れ替える。父は嫌いではないがじっくり話したことがなかった。入り口に昼食をすましたかえでが一人で車椅子をこいできている。私の記憶では父は毎晩遅く酔っぱらって帰ってくる。残業だと言っている。だが寡黙な人だ。
 練習問題のノートを母から預かってきたようだ。
「絵ばかり描いていたら偉くなれんぞ」
 1時間座っていてそれでけ言って帰っていった。
「お待たせ。押すよ」
 私はかえでの車椅子を押して非常階段に行く。今日は日曜日で誰もいない。
「優しそうなお父さんね?」
「ほとんど話さないよ」
「お勤め?」
「区役所に勤めている」
「ひろし君はお父さん似かな?」
「どうして?」
「男前だと思う」
 そういうと車椅子から立ち上がって手すりまで歩く。
「凄いな」
「ベットの中でも歩いているのよ。交換絵物語見てくれた?ひろし君ってもう夢精した?」
 最近どんどん過激になっている。
「パンツにねっとりしたものが朝残っているって?」
「ああ」
「もう立派な男の子だわ。私も始まっている。子供ができるらしいよ」





テーマ : ファンタジー小説 -- ジャンル : 小説・文学

ページトップへ

秘密基地3

 看護婦に頼んで車椅子を出してもらった。私は車椅子の押し手だ。今日は水色の空に筋雲が見える。
「あの看護婦さん覚えている?」
「いや?」
「秘密基地で見た看護婦さんよ。乳首が大きかった。きっと子供がいるのよ」
「よく知ってるな?」
「女性週刊誌を見ているもん」
「まだ歩けない?」
「これ見てよ」
とパジャマのズボンを腿まで上げる。何とほっそりし過ぎた脚だろう。
「すっかり肉が落ちたわ。ひろし君の絵では私は眠ったままよ。早く起こしてね?」
「今日起きるところを描くよ」
「絵はまだまだだけど文章は好きよ」
 こうして話しているときは他の人は気にならない。今日も常連の子供たちに年寄りがいる。
「あの橙の電車が停まる駅の名前知っている?」
「いや、聞いてみようか?」
「そんなこといいよ。私はもう名前を付けている。天国行きよ。だからひろし君の橙の電車のようにぐるりと回らない。そこから空に飛ぶの。いつか漫画で夜行列車が空を飛ぶのを見た」
 空を飛ぶ発想は私にはなかった。かえでは足をバタバタしている。
「痛い?」
「筋肉を戻したいの。そうしないと秘密基地には行けない」






テーマ : ファンタジー小説 -- ジャンル : 小説・文学

ページトップへ
プロフィール

yumebito86869

Author:yumebito86869
もう記憶の中で小さくなってしまているが、
小さい頃病院で隔離されていた時期があった。
その時隣部屋にかえでと言う毛糸の帽子を被った少女がいた。
童貞を失ったのもかえでだ。
何もかもう失った時、私はすみれとして彼女と再会した。
また短い時間だったが私の中で一生光り輝いている。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR