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明日の夢3

 スタジオに入るとブログ仲間の男女が3人ビデオとカメラを据えている。すみれとかえでは持って着た衣装に着替える。静江がすみれをともこがかえでの服を着せる。
「私のお姉さんみたいよ」
と静江が言う。彼女とはまだ体を交えていない。これはかえでが日を決めると言っている。これはかえでがデザインして作った服だ。まだ一度も袖を通していない。いろいろポーズを取って撮影が始まる。12時に一度弁当を取ってともこが帰る。食事の間もビデオを回している。
 1時からは持ってきた黒のTバック姿に着替える。
「かえでそれではお尻の穴が丸見えよ」
「すみれのも短くしている」
 静江の顔を見ると真っ赤になっている。それでもカメラマンは屈んだ二人を後ろから取っている。
「すみれのがTバックからはみ出している」
 急にかえでがキッスをしてくる。それから唇が下に降りてきてすみれもものを含んでいる。静江のしいさな悲鳴が上がるが、カメラは冷静にシャッターが押されていく。
「綺麗だよ」
「嬉しい!」
 もう二人には周りが見えていない。素っ裸になって反り立たものをかえでの中に入れた。二人のすべてを残すと言うかえでの言葉でこうなることを予想していた。カメラマンにも伝えていた。もちろん静江には話していない。
「静江よく見て置いて。私はあなたの中で生きていくから」
「頑張ってすべてを焼き付けておきます」
 だが3時半にかえでが眩暈を起こして撮影を中止した。





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明日の夢2

 かえでが死ぬ。この言葉が私の頭の中に充満して爆発しそうだ。今日は朝4時に目が覚めてしまって、かえでの寝顔を見ながらかえでとすみれのブログを見ている。かえでがあの病院時代の交換絵物語をリメイクしている。彼女は交換絵物語の画帳を失ったと言っていたが、最近買ったデジカメであの時の絵を写しだして小さな言葉を添えている。
「見つけちゃったね?」
 私の背中にかえでの顔があった。
「完成できなかったら引き継いでね」
「いや絶対完成させろ」
「あの頃は絶望で真っ暗だった。このまま家族からも見放され病院で死んでいくのかと思っていた。それが私にも王子さまが現れてくれた」
「いや同じだよ。妹を見てきて女性への妙な嫌悪感があった。これからは一人で生きる道を考え始めていた」
「また会えるとはなんと幸せなんだろうと。もう思い残すことはないよ」
 私も心の中ではよく分かったいる。
「何時に行くの?」
「10時にスタジオを予約している。下地の化粧はここで8時から始めよう。これはブログ仲間のカメラマンに頼んで10時から5時まで押えている。疲れたらそこで切り上げる約束だよ」
 これはかえでが希望していた撮影だ。だが体力が少し回復するのを待っていたのだ。私は彼女が用意していた衣装をトランクに詰める。それからかえでがすみれの顔を作る。
「凄い!」
 助っ人で来たともこと静江が入口で声を上げる。ともこは1時まで静江は5時まで撮影の助っ人をしてくれる。とくにともこは私の女装は初めてだ。
「ともこに似ているでしょ?」
「私よりずっときれいよ」





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明日の夢1

 やはりかえでは辛そうだ。朝起きるとしがみつくように私の体に抱き付いている。痛みか小刻みに震えている。
「タクシーで送ろうか?」
 今日は今年最後の病院の検診と薬を貰いに行く日だ。入院しない代わりにこれだけ約束させた。
「いいよ。少ししたら落ち着くから」
「出てくる時間に待っているよ」
 そう言って私は銀行に出た。静江も今日はかえでが病院に行く日だと知っている。それで手際よく両替の準備をしている。玄関のシャッターが上がって父が入ってくる。
「何を持ってきた?」
 小声で静江に聞く。
「昨日も来られていて代表者の変更よ」
 かえでから私に代表者を変更している。血の気が引いていく。やはり準備しているのだ。
 10時にかえでが病院に入るので朝の両替を終えて原付で10時半に病院に到着する。受付に入るとかえでの姿はまだない。もしかえでがいなくなったら生きていけるのだろうか。だから静江をくっつけたのだが。時計が11時を回る。
 イライラしているとともこの顔が覗く。
「どうしたんだ?」
「お父さんがかえでの病院に付いて行ってくれって」
 父はまるでかえでが娘のようだ。いや恋人かもしれない。その後からかえでが少し顔色がよくなって現れる。
「来たの?」
「心配だよ」
「姉さんが来てくれた。造血剤を打ってもらったの」
 私がついかえでの手を握るのに、
「早くかえで離れをしないと」






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思い出作り12

「私は賛成よ」
 かえでに姉が飛田で働く話をした。
 それで夜におかんの店に私が連れて行くことになった。私は父にもう少しその後話を聞いていた。姉は日系ホテルの従業員をしていて夜は小遣い稼ぎで抱かれていたようだ。だが父はだけどもと言うか飛田で働かせたくないようだ。だが口には出さない。
 8時にマンションに迎えに行くと一人でいたのかともこが出てくる。
「父の世話にはなりたくない。だから働く。もしひろし君がいいなら抱かれてもいいよ」
「いや、今日はかえでの話を聞いてほしい」  
 どうもぎこちない。
 おかんの店に入るともうかえでが指定席で騒いでいる。私はともこを挟むように座る。だがかえでは座るなりひそひそ話を始める。ともこが笑っている。どうも仲間はずれにされている。一人でビールを1本空ける。かえでが何やらスマホを見せている。最近買ったようだ。
「嫌だ!」
 ともこの声に画面を見る。かえでがすみれのおっぱいを吸っている。
「全部話しちまったよ」
「ともこもすみれとしたいだって」
「それは不味いだろ?」
「何でもありなんだよ。でも姉さんは飛田では働かないことにしたわ」
「私お父さんのあの店を手伝うよ。今度すみれの時に会いたいわ。静江さんの話も聞いているから」







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思い出作り11

 あの日からすみれの踊りが有名になった。出版社からは2作目の依頼が入った。それで今書いている作品を提出することにした。これはかえでに再開した日からの物語だ。かえでは元気な時はせっせと私の小説の挿絵を倉庫に貯めこんでいる。
「私が死んでもいいように一杯貯めておくよ」
 これが口癖になっている。
 父が今日直接飛田の店に出てくると連絡が入った。年を超えるのではないかと心配していた。さすがに今の店をそれ程休んでは迷惑になる。中休みの3時に飛田の店に入る。
「父は?」
「今集金に回っています」
 女将から言われて出されたコーヒーを飲む。半時間すると平さんと父が帰ってくる。
「どうでしたか?」
「ああ、昔のところに住んでいた」
「奥さんと娘は?」
「元気だったが…」
 歯切れが悪い。炊事場からすみれに似た女性が顔を出す。
「ともこだ」
「姉さんになる?」
「2つ上だよ。困ったことに再婚してともこだけが一人暮らしをしていた。新しい父とうまくいかないのだそうだ。この飛田で働くと言っている」
「しばらくそれは待ってください」




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プロフィール

yumebito86869

Author:yumebito86869
もう記憶の中で小さくなってしまているが、
小さい頃病院で隔離されていた時期があった。
その時隣部屋にかえでと言う毛糸の帽子を被った少女がいた。
童貞を失ったのもかえでだ。
何もかもう失った時、私はすみれとして彼女と再会した。
また短い時間だったが私の中で一生光り輝いている。

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